ミッドセンチュリー

サンビーム社の
 アールデコ風パーコレーター


特別参加

パイレックス社の
直火式パーコレーター
 


 

 今回は「パーコレーター」について書いてみましょう。
 パーコレーターと聞いて、「あ、あれね」とわかる方は30歳以上かな?
あるいは、キャンプがお好きな方でしょうか。
 パーコレーターは最近では主にキャンプ用品になっています。コールマン社のアルマイト製パーコレーターはつとに有名です。こちらはキャンプ用品ですから、火に直接かけて使うタイプですね。

 今回ご紹介するのは、家電としてのパーコレーター です。60年代から70年代にかけて、アメリカの家電メーカーはこぞって、各種のパーコレーターが発売しました。それはステンレス製の、大変重厚なもの、アメリカの朝食にはかかせないコーヒーメーカーとして大いに利用されたのです。

 今日は、その中でももっとも格調高いサンビームのパーコレーターをご紹介します。


▼デザインに優れたサンビーム社のパーコレーター

 


 60年代から70年代にかけて、日本でアルマイトの電気ポットがはやっていた頃、アメリカの家庭ではしっかりしたオールステンレスのパーコレーターが使われていました。サンビーム社のパーコレーターはその中でも、アールデコ調のすぐれたデザインで大変人気がありました。サンビーム社では、コーヒー専用であるこのパーコレーターに誇りを持っていて、「コーヒーマスター」と名づけるほどでした。重厚な質感、日本のキッチン家電ではなかなかこのような美しさはでません。厚手のステンレス製なので持つとずっしり重く、しかし取っ手の位置や注ぎ口のバランスがよいため、疲れることはありません。

  日本の家庭にはやや大きめかもしれませんが、10カップのコーヒーを抽出でき、保温も可能なこのパーコレーターは、販売が終わった今もなおオークションで人気があります。
 私も以前からほしかったのですが、なかなか入手するチャンスがなく、ようやく昨年、これを手にすることができました。
 そして、実際に使ってみて、いまでも実用に耐える立派な製品だと再認識しています。

 キャンプ用のパーコレーターを知っている人は、パーコレーターで抽出したコーヒーを「まずいコーヒー」だと思っている方が多いようですが、このサンビーム社のパーコレーターは、よく皆さんが使うコーヒーメーカーよりはるかにおいしくコーヒーを煎れてくれます。
  え、パーコレーターってこんなにおいしかった?・・・そんな言葉を聞くのが楽しくて、友人が来ると必ずパーコレーターで煎れているくらいなのです。
 すばらしいのは、一人でコーヒーを飲むときです。パーコレーターは、コーヒーを作るまでの数分を、とてもスローな時間にしてくれます。セッティングして電気を入れ、沸騰してぽこぽこという音を聞くとき、そしてフタのガラスの部分に沸き上がるコーヒーを見ているとき、それはなんともしあわせな時間なのです。


▼コーヒーメーカーにはない楽しさ

 コーヒーを煎れるのなら、コーヒーメーカーがあります。私ももう何台も試していますが、おいしく抽出できるコーヒーメーカーはほとんどないと言ってもいいかもしれません。サンビームのパーコレーターは、やや酸味があるものの、うまく加減すればおかしな苦みが発生せず、コクとキレのあるコーヒーを抽出できます。それは、抽出時間の調整が可能だからですね。市販のコーヒーメーカーで時間調整可能なものはなかなかありません。
 そして、わたしがサンビームのパーコレーターにこだわる理由はもうひとつあります。
 それは、楽しい「操作」です。パーコレーターでコーヒーを煎れるには、その都度「組み立て」が必要です。また、一回ごとに「洗浄」が必要です。この「手間」のかかる作業が、愛着の源のひとつなのではないか、と思っています。


人数分の水を注いだら、コーヒー豆を入れる容器を差し込みます。
コーヒー豆を人数分より少し多めに入れます。抽出時間を短くする分、豆を多めに入れておくわけですね。
中蓋をします。真ん中の筒状の部分から、湧き上がった湯が満遍なく注がれるわけです。カチっと音がでるまで、きちんと閉じます。
上蓋をします。手に持っている部分がガラスなので、お湯が沸きあがってくる様がよく見えるようになっています。

ガラスの蓋のつまみ部分にぽこぽこと抽出したコーヒーがあがってきて、その音がすごく和みます。



あとはタイマーにおまかせです。

 こうしてスローな時間を楽しみながら、コーヒーを煎れ、ゆっくり味を確かめる、1日に1回は必ず無いといけない私の日課です。

 でも、実は私が使っているサンビーム・パーコレーターは、残念ながらライトがつきません。本来なら、電気を入れるとタイマー部分が赤く光るはずなんですね。単純に豆電球が切れただけだと思うんで、修理にチャレンジしようかなと思っています。




▼直火パーコレーターならパイレックスが美しかった



 直火式では、このページの先頭で紹介したコールマンが有名ですが、家庭用ではパイレlックスのパーコレーターがあります。パイレックスのパーコレーターは、ガラス製のものが人気で、一時代を築きました。わたしも高校生のころ、白い色のガラス製パーコレーターを購入しましたが、それはパイレックスの「コーニック」ブランドでした。
 下の画像は、蓋がステンレス製という珍しいものです。 家電ではありませんが、パーコレーターを語る上でははずせないアイテムですので、特別参加ということになりました。


きゅっと跳ね上がった取っ手のスタイルがポイントですね。


 

ステンレスの蓋を取ると、アルマイトの中蓋が見えます。お湯が噴出する部分など、サンビームのパーコレーターとそっくりですね。
こちらは、中蓋をさらに取り除いたあと。ここにコーヒー豆を入れます。豆は、荒挽きです。細かすぎると粉っぽいコーヒーになります。中の容器もガラス製なので、豆が抽出される様がよく見えます。


このパイレックスのパーコレーター、いまなお根強い人気があります。
でも、
もう販売されていないのが残念です。

 

 
 

 直火式は、難しいですね。
  沸騰してきて、どの時点で火をとめるか、それは様ざま試行錯誤が必要です。
サンビームですと、タイマーがついているので、この調節は容易です。コツは、多目のコーヒー豆を短時間に抽出すること、これだけ。時間がかかりすぎると確実に苦いものになってしまいます。

 さて、パーコレーター、少しは見直してもらえましたか?
 パーコレーターのコーヒーはまずい、とお考えなら、それは煎れ方の問題でしょう。パーコレーターでも十分においしく煎れられます。
 一緒に研究してみませんか?
(otti)


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